◆ 明け方 03 ◆
2010年01月17日 (日)
明け方にふと眼を覚ますと、隣にいるはずの高耶がいなかった。
リビングへ行ってみると、この寒い中、ベランダでひとり佇んでいる。
いつもとは違う雰囲気を感じて、直江は声をかけるのを躊躇った。
永い間見つめ続けてきた、孤独な背中。
空を見上げるその瞳には、いったい何を映しているのだろうか。
きっと自分には想像もつかないものを見据えているに違いない。
いつもそうだ。
同じものが見えたと思っても、高耶は瞬く間に先へと進んでしまう。
いつになっても追いつくことがない。
それでも、以前よりは近づけたと思うのは驕りだろうか?
いつか、彼と同じ境地に立てる日が来るといい。
そして、彼の見据えた先へと共に歩んで行けたなら。
「…………」
無意識のうちに強く握っていた拳を、ゆっくりと解いた。
焦ってもしょうがないのだ。
自分たちにはこの先、たっぷりの時間がある。
とりあえず今は、高耶をベッドへ戻す手段を考えなくては。
そう思って、直江はベランダへ通じるガラス戸へ手をかけた。
リビングへ行ってみると、この寒い中、ベランダでひとり佇んでいる。
いつもとは違う雰囲気を感じて、直江は声をかけるのを躊躇った。
永い間見つめ続けてきた、孤独な背中。
空を見上げるその瞳には、いったい何を映しているのだろうか。
きっと自分には想像もつかないものを見据えているに違いない。
いつもそうだ。
同じものが見えたと思っても、高耶は瞬く間に先へと進んでしまう。
いつになっても追いつくことがない。
それでも、以前よりは近づけたと思うのは驕りだろうか?
いつか、彼と同じ境地に立てる日が来るといい。
そして、彼の見据えた先へと共に歩んで行けたなら。
「…………」
無意識のうちに強く握っていた拳を、ゆっくりと解いた。
焦ってもしょうがないのだ。
自分たちにはこの先、たっぷりの時間がある。
とりあえず今は、高耶をベッドへ戻す手段を考えなくては。
そう思って、直江はベランダへ通じるガラス戸へ手をかけた。
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